似顔絵の仕事:1
具体的に似顔絵師の仕事にはどんなものがあるのかという話。
まずは、お客さんの目の前で似顔絵を描くものについて。
これを業界用語では「席描き」という。
1:大型モールなどでの似顔絵ブース
モールに来たお客さんの注文で似顔絵を描き、直接お客さんから代金をいただくというシンプルなスタイル。
描けば描くだけ儲かるが、逆にお客さんが注文してくれなければ儲けは0になるというシビアな仕事である。
もちろん勝手にやるわけにはいかず、必ず事前にモールとの契約が不可欠だ。
しかし、都会の大型モールでは、個人が出店依頼をしたとしても、ほとんど門前払いの所が多い。
そのため、イベント会社を通して出店依頼するのが定番だ。
その場合、イベント会社とモールの両方に手数料を払うことになる。
売上の何割かを月末にまとめて支払う場合が多いだろう。
店舗によっては前払いで高額な手数料を要求されることもあるが、くれぐれも費用対効果をよく考えて。
赤字になったのではやる意味がないからね。
2:企業が主催する似顔絵イベント
様々な企業が集客や既存の顧客へのサービスのためにいろんなイベントをやっている
似顔絵もその1つ。
似顔絵単体でイベントをする場合もあるし、バルーンや占いなど、他の催しと一緒のこともある。
モールでやる似顔絵ブースと違う点は、似顔絵の代金をお客さんからは貰わず、一日の日当として企業から貰うところ。
集客が目的だから、お客さんは無料の場合が多い。
似顔絵イベントでは、描いても描かなくても日当は変わらないので、むしろお客さんが少ない方がありがたいのだが、似顔絵を無料で描いてもらえるとなると、お客さんはワンサカ押し寄せてきちゃう。
イベントの時間は決まっているので、終了時間までに大勢のお客さんをさばくスキルを要求されるわけだ。
目安として、色紙にカラーで描くとすると、最短で1人15分でスケジュールを組まれる。
私としては限界ギリギリの時間であるが、これができないと仕事の幅が増えないと思った方がいいだろう。
上記2つの仕事は、お客さんが目の前にいるということが重要な点である。
長時間待たせてはいけないので急いで描かなければいけないが、そのためにクオリティを下げて過ぎてはいけない。
更にお客さんを飽きさせないために、ある程度のトーク力も必要だ。
絵がうまけりゃトークなんてしなくていいでしょと思っている似顔絵師もいるだろうね。
そんな人は、席描きやらない方がいいよ。
その都度全力で、自分ができること全てを出しきるつもりでやることが大切だ。
そうしないとリピーターも付かないし、イベントにも呼んでもらえないことになる。
似顔絵は毎回が真剣勝負である。